こんな時こそ元気な方は集まろうよ~、とのお声もいただき、
ありがたいことに多数の方にお越しいただき、無事楽しく開催となりました。
今回のテーマは「パスクア=イースター」春を祝おうというのがテーマです。

メニューとワインのご紹介。
メニューの下側にはワインを選んだポイントとなった事を記載しています。
今回はパスクア風にイースターエッグちりばめてみました★

変態ソムリエ米津のひとり言も第9回目。なるほどというか、よく分からんというか(笑


さて、まずはお料理はちょっと順番を変えて、復活祭のトルタ~トルタパスクアリーナ~よりスタート。
本来はもっと普通にパイっぽいお料理で、リグーリアの古典的なイースター料理です。
キリストが死なれた年齢に合わせて、33枚のパイ生地を重ねるという説もあります。
リコッタチーズとほうれん草(現地ではふだん草を使うそうです)を優しく感じてもらうために
塚原がアレンジ。パイ生地も食感を活かすために数枚後付けで合わせる程度にアレンジしております。
合わせるワインはクレマンドロワールブリュット(瓶内二次発酵のシャンパーニュ方式)を選びました。
ロワールの郷土料理にもちょうど卵のお料理があるのと、リコッタチーズの濃度をクレマンでさっぱりと口の中を流すように、、、
というのが、1本目の米津のもくろみ。
今回はまほちゃんがウサギの耳をイメージしたナプキンアレンジで可愛くテーブルセッティング。


次のお料理はグリーンアスパラとホワイトアスパラのグリル。けっこうしっかりと焦げ目をつけて焼いているのが香りのアクセントになっています。
ホワイトアスパラは食感よりも甘味を感じるように、あえてしっかりと火を通しています。
ソースはヴィネガーを効かせたアスパラピュレのソースで爽やかに。
アスパラをグリルしたのは、パスクアの翌日(パスクエッタ)は、
皆で集まっていろんな食材をバーベキューすることも多いと聞くため、
ちょっと意識してBBQ風に。
こちらにはモンテトンドのソアーヴェミトをセレクト。
アスパラはヴェネトのバッサーノデルグラッパでもよく作られるので、
名産地にご当地ワインを、というもくろみ。
また、つぶやきのテーマでもあった、「つなぐ」意味では、ロワールのクレマンでも
続けられるともいえます。
某インポーターの北条君もご満悦のさらりとしたクセのない組み合わせでした。
しかし個人的にはワインの冷えが甘かったのが残念。。。


3つ目のペアリングは真鯛とアーティチョークのリグーリア風。
パスクアというとお肉のイメージが強いが、やはりそこは島国のイタリア、
地方によってはお魚のパスクア料理もあります。
春に産卵を迎える鯛と旬のアーティチョークを合わせてみたとのこと。
アーティチョークがしっかり食感もあって、とても美味しい!
併せてサルディニアのワインを。
ヴェルメンティーノはイタリア全土で作られていますが、元々はイタリアで
シチリアに次いで2番目に大きい島であるサルディニアの土着品種。
このワインには島の北部の海沿いのワイナリーで作られていて、ミネラルを
すごく感じる1本。サクラアワード(女性だけの審査による世界的にも珍しい
国際ワインコンペティション)でもシルバーを受賞したワインとのこと。
ぶどうが潮風を受ける→ぶどうの皮のも塩っけが残る→必然的に醸造の時にも
塩味が残る、というワインですが、、、残念ながらちょっと冷えが甘かった!!!
塩味やミネラルよりも、フルーティーさが際立って感じてしまう。
ワインの味わいって温度も非常に重要だな、と改めて感じました。



プリモには、ヴェネト産のうさぎのラグーをショートパスタのフジッリで。
イースターの象徴のうさぎをゴロっと切って、淡泊なお肉なので、
ナポリのジェノベーゼスタイルの仕立てにしてあっさりと仕上げてみました。少しコクを出すために内臓も入っているので、タンニンのニュアンスにもよく合う。
このウサギのお料理には 花鳥風月 月 ノワールというちょっと今時のエチケットの
国産ワインをセレクト。コルクも日本語でキッチュで可愛い♡

うさぎにはやっぱり月かな、、というのは嘘で、偶然です←by米津
最初は濃いめのロゼワインもよいかとも思ったが、この塚原の優しいラグーには
日本のワインがよいかと。。。かといって、マスカットベリーAでは少し強すぎるのと、
内臓のニュアンスにも合わせて、少し渋みも感じる、カベルネとブラッククイーン交配の
甲斐ノワールをセレクト。昨年秋に、ノンアポでいきなり訪問したときに優しくしてくれたというのも
大いにあります。
個人的にはこのペアリングが今日一番!あっさりとしたパスタと内臓のニュアンスに、
ほのかにタンニンを感じる優しい味わいがベストマッチで美味しかった!!!

メインディッシュは仔羊のグラッサート。
仔羊というと、骨付きで焼くイメージが強いが、煮込んで優しく仕上げたかったとの事。
最後にペコリーノチーズを使ってつや出しをする、シチリアのスタイルで。
少し甘味も感じる仕上がりで、肉じゃがっぽいと言ったところ、
シチリア人にとってはまさに肉じゃがのイメージのお料理との事。←By塚原
柔らかい煮込みにはモンテプルチアーノのアルビーノをセレクト。
羊料理も多いアブルッツオ州での鉄板の組み合わせ。
モンテプルチアーノといえば、ハウスワインに使われるイメージが昔はあったが、
ここ一年くらいで感じるのは、
この個性は他にはないぞ!
サンジョベーゼより優しくて、厳しくないぞ!
ある特定の食材にはものすごく力を発揮するぞ!←By米津。



デザートにはナポリのイースターのお菓子のパスティエッラをご用意。
大麦とスペルト小麦を使った生地とオレンジピールの爽やかな風味が特徴。
これには、今回はワインではなく、カフェコレットスタイルでご用意。
柑橘の香りに柑橘を合わせて、ベルガモットとコアントローを入れたコーヒーで爽やかに。
パスティエッラの由来の一番有名なのは、ギリシャ神話に登場する海の妖精セイレーン・
パルテノぺがナポリ湾にたどり着きそこを住居としたことでナポリが生まれたため、
それに感謝するためにナポリの住民たちにとってもっとも貴重な7つの食材を
お供えにしたという説。←By藤田
(7つの食材=小麦粉、リコッタチーズ、卵、柔らかい小麦、オレンジフラワーウォーター、
香辛料と砂糖)
同じくコスタアマルフィターナでよく見かける、カラフルなチョコレート菓子を
昨年手持ちで大量に持ち帰っていたので、そちらもお茶菓子代わりに。。。

最後は恒例の一言コメントをいただきました。
真摯にご意見を受け止める塚原&米津 with 藤田&りささん。
皆様のお言葉を受けて、
塚原:
実は毎回とても緊張しているが、ようやく9回目にして自分の料理にこういうワインを
合わせてほしいな、という自分なりの想いが強くなってきた。
どんどんワインが生活の一部になってきている。もっと自分の料理とワインがセットに
なってゆくようにしてゆきたい。
米津:
うさぎのパスタには最初は内臓が入っていなかったが、途中より内臓が入るパターンに
変更となったためにセレクトしたこのワインが大好評でとてもうれしかった。
回を重ねるごとに、毎回自分の中でもセレクトがしっかりイメージできるように
なってきたと思う。
藤田:
ドルチェをやって皆さんに好評いただけてよかった。皆様に勉強させていただいている。
りさ:
うさぎには最初季節的にもロゼがいいんじゃなかと思ったが、結果甲斐ノワールに見事に
合っていた。今コロナの影響でイタリアは日本以上にひどい事になっているが、
イタリアワインをグラマラスフードで飲んで、皆でイタリアを応援してゆきましょう!
今回は陸も勉強の為にお休みの日に実費で初参加。
コメントも立派にしっかりとしていました!
次回は5/13 水曜日 19時から ダニエルズ本店にて。
テーマは塚原の希望により、「野菜」
「春の野菜もまだ残りつつ、夏の野菜も出始めてると思います。
今が旬って感じでは無いかもしれませんが、名残りとはしりを組み込もうかと思ってます。
bY塚原」